3.ソフト

 No.3 株価分析ソフトの開発

ちょっと先の未来が見える、そんなソフトが少しずつ出来上がっていく。
毎日、毎日、わくわくしながらソフトを作り続けた。
 

毎朝、8時30分にはパソコンの前に座る。
ソフトを作りながら、そこで朝飯を食う。
昼飯が出てくると、そこで昼飯を食う。
夜だけは、家族と一緒に食事をした。
晩飯食ったら、またパソコンの前に座る。
ソフトを作っていると、あっという間に真夜中になる。
ああ、小鳥たちが鳴いている。
窓が明るい・・・
新聞配達のバイクがバリバリ騒ぐ。
突然ガクッと眠くなり、事務所に持ち込んだベッドに転がり込む。
朝、8時30分になると、また昨日と同じ一日が繰り返される。
 

毎日、毎日、毎日、毎日、延々と・・・
それでも、毎日、わくわくしながらソフトを作り続けている。
夏になると、椅子がくさくなる。
一日中、椅子に座っているからだろうな〜、と思う。
椅子を、買い換える。馬鹿げてるな、とは思う。
 

会社に行かないと、まず曜日がわからなくなる。
そのうち、何月か、何年か、わからなくなる。
そのうち、春に衣替えしたばかりなのに、もう冬の衣替え。
時間の感覚が狂ってくる。
 

あれから、何年たっただろう・・・
足が弱って、歩くのが難儀になる。
お尻の肉がぺちゃんこになる。
椅子に座り過ぎたからだろうか。
もう直らないだろうな〜、なんて、考えている。
それでも、毎日、ソフトを作り続けている。
 

株価分析のソフトを作っているのに、株を買うわけでもない。
トレーダーさん達とは無縁の世界。
おれは、いったい、なにをやっているんだろう、ホントに・・・
たぶん、自分の能力を試しているんだろう、と思う。
 

作っては試し、作っては試しでやっているうちにいくつかのソフトが残った。
最後まで残ったソフトを組み合わせて、テストが始まった。
さまざまな役割を持ったソフトたち、
そして、15台のパソコンと20インチのディスプレイ。
日足、時間足、アナログ、デジタル、株価と出来高、値上り値下り銘柄数、etc.
その他のいくつものソフトが同時に動く、面白い・・・
やっと東証1部の数十分先、数日先までわかるようになった。
 

そんなこんなで、7〜8年たったころ・・・
ホームページを作って東証1部の予測を1年間やってみた。
デジタル工房・株価天気予報 主催者 ”株天”、今日のお天気。
1年間で28万アクセス、最後のころは1日3,000アクセス
雑誌の取材、講演依頼、と反響はものすごかった。
 

今から7〜8年程前のはなし・・・
 

つづく