2.パソコン

 No.2 パソコンと株天太郎

バブルの時代のだいぶ前、マイコンからパソコンに流れが変わった。
パーソナルコンピューター、略してパソコンの登場だ。
ゲームの時代から、ビジネスの世界への脱皮。

マイコン時代は、データをカセットテープに録音していた。
ピ〜ヒャラヒャラヒャラ、信じられないかもしれないけど・・・
そこに、フロッピーが使える一体型パソコンが出現した。
衝撃的だった。
すぐさま株価分析ソフトを作り上げ、統計処理する人たちが出てきた。
データはすべて手入力だった。
これも信じてもらえないかもしれないな・・・
 
株価分析ソフトもいろいろなレベルのものが出始めた。
そのソフト屋さんが、データを有料で提供したりもした。
ユーセンも株価データを有料で配信し始めた。
無料でデータを文字放送ユニットから取得できるようにもなった。
自分で株価分析のソフトを作っても、データで悩むことはなくなった。
 
株価分析ソフトの作り方を書いた書籍が出版された。
すぐに手に入れた。
各社から販売された株価分析ソフトも片っ端から調べてみた。
どれも、これも、すべて過去のデータの解析ばかりだった。
やはり、自分で作るしかないか〜、ということで、自作することにした。
 
調べたソフトの中に、気になるソフトが一つあった。
そこで、そのソフトを販売している会社に、事情を話して相談にいった。
大先生にいろいろお伺いを立てていたら、ソフトの作り方の基本を教えてくれた。
このとき、株価分析の根本的な考え方を、すべて教えていただいたように思う。
見ず知らずの若者に、親切にノウハウを教えてくださった。
本当に、ありがたかった。
 
そのころは、医療統計のソフトの仕事をしていた。
医療統計の仕事の社会的意義はよくわかっていた・・・
しかし、どうしても過去のデータからの統計処理だけでは我慢ができなかった。
ちょっと先の未来を見るような、そんなソフトを作ってみたい、と思っていた。
 
そんなときに知ったのが、カオスとフラクタル理論だった。
個の姿から全体の本質を知り、また全体から個の姿を求めることができる。
仏法でいうところの ”宇宙即我・我即宇宙”そのもの。
まさに、法華経の世界がそこにあった。
これで、未来予測の世界にはまってしまった。
 
株価分析は、こういう考え方でやればいいんだ・・・
わかった、わかった、そうだったのか・・・
感動のあまり、ほとんど寝ないでソフトを作り続けた。
何年も、何年も・・・
本当に、本当に、長い年月がたってしまった。
 
つづく